きょうがおわる

若干ネタばれしてます。

 

今、幕が降りて、今日が終わる。今日という一日はあまりにも長く待ちわびた日。
もしかしたら二度と訪れないかもしれないと思ったし、もし駄目になってももう仕方ない、と何度も覚悟はしていたけど、きょうがおわるのもまた一つ奇跡だなと思ってる。

 

今年の『虎者』、10月11日の夜公演に入ったよ。
去年はたった一度、3階席で観劇したので、ほとんど記憶はないし、どこが変わった、
なにが増えたとかもそこまで詳細に覚えていないし、言えないんだけど…
とにかく、できないことや制約が多いはずの今回が、前回よりもパワーアップした、進化した、と言い切れるのは彼らの努力やスタッフの創意工夫の賜物なのだと思う。2日目だったけどまだ不安定だな?みたいなのはあんまり私はなかったかな。

メモもとってたけどなんか解読不明の象形文字が並んでるし記憶が失われる前にその時感じた感情だけここに残したい。

久々の演舞場での観劇では、入るなり幕にポスター写真ドーン、「Namidaの結晶」のインスト~~~バカでかい自担の顔を目の前によくわからない感情になる。かっこいい…これから本物みるの?無理…。ここですでに緊張がやばい、腹痛に襲われる。水買い忘れたからその場でブルーベリー丸呑みした。もはや、むしろ始まってほしくないみたいな気持ちと、いや、いっそひと思いにいってくれ!と心で叫んでいたら、注意事項アナウンス。元太のアナウンスめっちゃ感情こもってて小学生が国語の教科書音読してるみたいで会場から「かわい…//」って声が漏れてたし、それ聞いたら微笑ましくてなんか安心した。

はじまってから105分、一切我にかえることなかった、気がついたら明かりついてみんな帰り始めてた。長い夢をみていたみたい。1幕はニチアサ?特撮?っぽくて、まぁ特撮ろくにみたことないんですけど。去年のストーリーよりわかりやすかったと思う!話が銀河規模になってて壮大だった。父上が1年の間にめちゃくちゃ年老いてた。めっちゃおじいさんだった。この1年になにがあったんだろう。

 

まずなによりも、うみちゃんの細やかな仕草や演技をいっぱい観ることができてよかった。私細かいところまで詳細に覚えてられない人なんだけど(なんせメモはダイイングメッセージ)例えば2階登場で威勢がいい血気盛んな元太の牽制する仕草だったり矢文に驚いたり、父上の過去を聴いて信じられない、みたいに目をこぼれちゃいそうなほど見開いたり、クライマックスはやるせなさで拳を握りしめたり、脱力したり、振り絞るような声を発したり、それがだんだん感情が高ぶってきて、思いの丈を叫んだり。
顔はどんどんぐしゃっぐしゃになってくんだけど、それでも引き算のお芝居というか、過剰になりすぎないように、さじ加減をすごく探りながらやっているんだな、と思った。去年も辛顔が印象的だったけど、そこに切なさとか葛藤とかがいろんな感情も読み取れたかな。

これ、割と突拍子もない話ではあると思うんだけど(爆)全身全霊のお芝居の力でなんだかもらい泣きしそうになっちゃったよー、、

 

お芝居以外でいうとダンスも殺陣も全部おでこに張り付いた前髪がたまらなく愛おしくて守りたいのに、精悍な顔つきにドキッとさせられるし本当にうみちゃんは見ていて飽きない存在。トランポリンも足伸びてるし、美しく軽やかでひたすら見惚れた。

 

トランポリンはみんながそれぞれ目を合わせて、うなづいて、タイミングを合わせて。手すりから落ちるとこはびっくりしたけど、そういうメンバー同士の息の合わせ方をみていたら、グループとしてそうであってほしい姿を体現してる感じ。互いを信じて、自分を信じて、困難にも立ち向かっていく、文字通り高く跳ね上がって、高い壁を蹴って登る。まさに、トラジャの今、なんだよね。「正直なところ負ける気がしない」のは虎者の話でもありながらトラジャのことだとおもっていいよね。あのうみちゃんのせりふでこちらも「正直なところ負ける気がしない」と想いました!!


その次から始まるショータイムのはじまりが「GET ALIVE」で幕開けなの、控えめに天才か。短かいはずのショータイムなのに、ひとつひとつの満足度が死ぬほど高い。密度がすごい。全部がメインディッシュ。メインディッシュからのメインディッシュからのメインディッシュ…胃もたれやばい。

1番すきなのはやっぱりハピグルジャズかな。ハットを落としても別にいいの。それもひとつの楽しさにしてしまうのがすごいところだと思う。ENTERのハピグルもそうだけど、一つの曲をいろんなやり方で料理して出すの、本当にいつも予想の斜め上を超えてきて、だからトラジャって応援するの楽しい。

 

例えばトキメキのし〜っ!じゃないけど普段と違うことをマイナスとせずに逆にレア!として楽しい!に変換してくれる。

 

ずっと会見で宮近くんが言ってた夢について考えてる。写真やワイドショーでみたときに、名前を聞いたときに、なにか楽しい気持ちになっちゃうようなグループに。ハッピーになれるようなグループに。私にとってはもうとっくにそうだけど、きっとそれが代名詞となるようなグループになれるよ。だからこそ、みんながこうして観客アリの舞台を伝統ある劇場で再開させたことも大きな意味を持ってると思う。ここからが始まりでもある。


今年は、いつ入るの?席どのへんだった?ネイルしたよ!お洋服買ったよ!そんな会話が、前まで普通だったことが、こんなにも尊く感じるとは思わなかった。本当にそれがどれだけ貴重でありがたいことかを思い知った。声もだせない、マスクしてるから笑顔をかえすこともできない、ただ、指先がしびれるほどに拍手を精一杯送ることしかできなかったけど。半分の収容人数の劇場の景色でも、少しでも寂しい想いをさせたくなかった。これなかった友達の想いまでってどうしたって自分の力の2倍拍手することくらいしかできないから、エゴだけどそうしたつもりではある。

エンターテイメントってやっぱりいいな、明日を生きる勇気をくれる、究極の心の栄養剤なんだと思う。でもそれも本当に当たり前じゃないんだってことだ。たしかなものなんてない、でもずっと信じていくよ


あ〜ほんっと~に楽しかった。はぁー、トラジャがだいすき!おわり!